『ウィキッド』のあらすじを簡単に解説していきますね。
『ウィキッド ふたりの魔女』は2024年に公開されたアメリカのミュージカル・ファンタジー映画で、第97回アカデミー賞で10部門ノミネート、美術賞と衣装デザイン賞を受賞した話題作。
ジョン・M・チュウ監督がメガホンを取り、グレゴリー・マグワイアの小説とブロードウェイの名作ミュージカルを原作としています。
月に20本の映画を観る熱心な映画ファンの私が、この『ウィキッド』は簡単に言うとどんな話なのか、感想も交えて簡潔に紹介していきますよ。
普段それほど映画を観ない方にも分かりやすく、ネタバレなしで魅力をお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
『ウィキッド』はどんな話?あらすじを簡単に(ネタバレなし)
魔法の国オズを舞台に、緑色の肌を持つエルファバと人気者のグリンダが大学でルームメイトとなり友情を育む。エルファバは優れた魔法の才能を認められるが、オズの魔法使いたちの陰謀に巻き込まれ「悪い魔女」と誤解されることに。一方、グリンダは「善い魔女」として崇められ、やがて二人は異なる道を歩み始めるのだった。
『ウィキッド』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
魔法と幻想に満ちた国「オズ」を舞台に、二人の魔法使いの数奇な運命と、かけがえのない友情の物語が幕を開ける。
生まれつき緑色の肌を持ち、その見た目から周囲に差別され、誤解されてきたエルファバ。一方で、人気者で明るい性格、誰もが憧れる存在のグリンダ。シズ大学の寮で偶然ルームメイトとなった二人は、見た目も性格も、そして魔法の才能も対照的で、最初は激しく衝突する。しかし、互いの真の姿を知るにつれて、やがて強い友情で結ばれていく。
エルファバは、魔法学部の学部長マダム・モリブルにその非凡な魔法の才能を見出され、オズを治めるオズの魔法使いの大臣となることを期待される。だが、王子フィエロとの出会い、オズの国の動物たちへの不当な迫害、そして権力者たちの思惑が複雑に絡み合い、物語は複雑な様相を呈していく。
オズの魔法使いとマダム・モリブルは、エルファバの強大な力を自らの都合の良いように利用しようと画策する。彼らはエルファバが自由と公正を求める純粋な心を理解せず、巧妙な策略によって、エルファバを「悪い魔女」として民衆に印象付けようとする。自らの信念と正義を貫くエルファバは、この不条理な状況から解放されるために戦い、困難に立ち向かうことを決意する。
物語が進むにつれて、エルファバは魔法のほうきに乗り、オズの権力者たちからの追跡を逃れる中で、皮肉にも「西の悪い魔女」として知られるようになる。一方、グリンダはオズの人々の希望の象徴である「善い魔女」として、かつての親友とは異なる立場に立つことになる。二人の間には避けられない対立が生まれ、運命は大きく分岐していく。
エルファバが自由を求めて新たな道を歩み始める中、グリンダもまたそれぞれの信じる道を進む。二人はそれぞれの信念に従って選択を迫られるのだった。
『ウィキッド』の感想
正直に言うと、最初は「また『オズの魔法使い』の焼き直しかな」なんて軽く考えていたんですよね。
でも実際に観てみたら、これが予想をはるかに超える素晴らしい作品でした。
まず何といっても映像美が圧倒的です。
オズの国の色彩豊かな世界観、衣装の細部まで作り込まれた美術、そしてダンスシーンの迫力ある演出。
どのシーンを切り取ってもポスターになりそうな美しさで、目を奪われっぱなしでした。
そして主演の二人の演技と歌唱力が本当に素晴らしい。
シンシア・エリヴォ演じるエルファバの歌声には圧倒されました。
特に「Defying Gravity」のシーンでは鳥肌が立ちましたね。
アリアナ・グランデのグリンダも、最初は「歌手が女優やってるだけでしょ」なんて思っていましたが、完全に考えを改めさせられました。
コメディタッチな演技から感情豊かなシーンまで、幅広い表現力を見せてくれます。
ストーリーの深さにも感動しました。
単純な善悪の物語ではなく、差別や偏見、権力の腐敗といった社会的なテーマが丁寧に織り込まれています。
エルファバが「悪い魔女」と呼ばれるようになる過程を観ていると、私たちが普段「悪」だと思っている存在にも、実は深い事情があるのかもしれないと考えさせられますよね。
ただ、批判的な点も正直にお話しすると、物語が前編だけでは少し物足りない感じがしました。
2部作の1作目ということで仕方ないのかもしれませんが、もう少し完結感がほしかったというのが本音です。
また、グリンダのキャラクターについては賛否が分かれそうですね。
私個人としては魅力的だと思いましたが、人によっては「典型的ないじめっ子」に見えてしまうかもしれません。
それでも全体として見れば、久しぶりに心から感動できるミュージカル映画でした。
上映時間161分という長さも全く気になりませんし、むしろもっと観ていたいと思わせる魅力がありました。
続編が非常に楽しみです。
『ウィキッド』の評価
項目 | 評価 |
---|---|
ストーリー | ★★★★★★☆☆☆☆ |
感動度 | ★★★★★★★☆☆☆ |
エンタメ性 | ★★★★★★★★☆☆ |
総合評価 | 70点 |
『ウィキッド』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
公開年月日 | アメリカ:2024年11月22日 日本:2025年3月7日 |
監督 | ジョン・M・チュウ |
脚本 | ウィニー・ホルツマン、デイナ・フォックス |
原作 | グレゴリー・マグワイアの小説「オズの魔女記」 ミュージカル「ウィキッド」 |
キャスト |
|
上映時間 | 161分 |
受賞・ノミネート歴 | 第97回アカデミー賞10部門ノミネート 美術賞・衣装デザイン賞受賞 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
音楽 | スティーヴン・シュワルツ |
ジャンル | ミュージカル・ファンタジー・ドラマ |
配給 | 東宝東和 |
視聴方法 | 各配信サービス |
あの作品が好きなら『ウィキッド』も好きかも?似ている映画3選
『ウィキッド』が気に入った方や、逆にこれから観るかどうか迷っている方のために、似たテーマや世界観を持つ映画を3つご紹介しますね。
どの作品も魔法やファンタジー、そして誤解と真実の友情がテーマになっています。
『美女と野獣』(2017年)エマ・ワトソン主演
ディズニーの名作アニメを実写化したこの作品は、魔法や呪い、真実の愛と変容をテーマにしたファンタジー・ロマンスです。
エマ・ワトソン演じるベルと野獣の物語で、外見で判断されがちな野獣の内面の美しさや、誤解が解かれていく過程が『ウィキッド』のエルファバの境遇と重なります。
豪華な映像美とミュージカルシーンも共通しており、『ウィキッド』ファンなら間違いなく楽しめるでしょう。
『イントゥ・ザ・ウッズ』(2014年)メリル・ストリープ出演
複数のおとぎ話が絡み合うスティーヴン・ソンドハイムのミュージカルを映画化した作品です。
シンデレラ、赤ずきん、ジャックと豆の木などの登場人物たちが森で出会い、それぞれの願いを叶えようとする物語。
善悪の境界があいまいで、登場人物の意外な一面や心情を掘り下げる点が『ウィキッド』と非常に似ています。
複雑な人間関係と社会的なメッセージも込められており、大人が楽しめるミュージカル映画です。
『オズ はじまりの戦い』(2013年)ジェームズ・フランコ主演
『オズの魔法使い』の前日譚として制作されたファンタジー映画で、オズの国の魔法の起源や魔女の謎に迫る作品です。
ジェームズ・フランコ演じるオスカーがオズの国に迷い込み、魔法使いとして成長していく物語。
『ウィキッド』と同じオズの世界観を共有しており、魔女たちの複雑な関係性も描かれています。
視覚効果の美しさも際立っており、『ウィキッド』の世界観をより深く理解したい方にはぴったりの作品ですね。
振り返り
『ウィキッド』のあらすじを簡単から詳しく、そして感想まで幅広くご紹介してきました。
この映画は単なるミュージカル作品を超えて、差別や偏見というテーマを真正面から描いた社会派の側面も持っています。
普段それほど映画を観ない方でも、美しい映像と素晴らしい歌声、そして心に響くストーリーで十分楽しめる作品だと思います。
ネタバレなしでお伝えしましたが、実際の結末はもっと感動的で複雑ですので、ぜひご自分の目でご体験ください。
■参照サイト:ウィキッド ふたりの魔女 – Wikipedia
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