『コクリコ坂から』のあらすじについて、映画ファンの私が熱く語らせていただきます。
スタジオジブリが制作したこの青春アニメーション映画は、宮崎駿が企画・脚本を担当し、息子の宮崎吾朗が監督を務めた作品です。
1963年の横浜を舞台に、高校生の淡い恋愛と成長を描いたこの映画は、どんな話なのか気になっている方も多いでしょう。
月に20本もの映画を観る私が、この映画を観ていない皆さんのために、簡単に、そして詳しくあらすじをご紹介していきますよ。
ネタバレなしで感想もお伝えしますので、安心して読み進めてください。
『コクリコ坂から』のあらすじを簡単に(ネタバレなし)
『コクリコ坂から』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
舞台は1963年、東京オリンピックを翌年に控えた横浜。
港の見える丘に建つ下宿屋「コクリコ荘」では、16歳の女子高生・松崎海が母親に代わって宿の切り盛りをしていた。
海の日課は、毎朝亡くなった船乗りの父を偲んで「安全な航行を祈る」意味の信号旗を海に向けて掲げることだった。
同じ高校に通う17歳の風間俊は、毎朝タグボートから海の旗を見て「ありがとう」の意を込めた返礼旗を揚げていた。
俊は学校新聞の編集をしており、古い文化部部室棟「カルチェラタン」が老朽化のため取り壊されることに強く反対していた。
海は俊から新聞部の原稿の手伝いを頼まれたことをきっかけに、彼との距離を縮めていく。
2人は協力してカルチェラタンの大掃除作戦を企画し、校内の生徒たちを巻き込んで文化部部室の保存活動を進めた。
しかし、コクリコ荘の住人で卒業生の北斗の送別会で、海が父親の写真を俊に見せたところ、その写真には俊の父も一緒に写っており、2人は自分たちが兄妹である可能性があることを知ってしまう。
この事実を知った俊は海にそっけない態度を取るようになり、2人の関係に微妙な距離が生まれてしまった。
それでもカルチェラタンの存続運動は徐々に賛同者を増やし、ついには学校の理事長に改修したカルチェラタンを見てもらうまでになるのだが……。
『コクリコ坂から』の感想
この映画で、何より素晴らしいのが映像美ですね。
1963年の横浜の街並みや港の風景、コクリコ荘の細部まで丁寧に描かれた室内など、もうため息が出るほど美しいんです。
特に海が毎朝信号旗を揚げるシーンは、何度観ても心が洗われるような気持ちになります。
宮崎駿さんの脚本と宮崎吾朗監督の演出が見事に調和していて、昭和のノスタルジーが画面いっぱいに広がっているんですよ。
キャラクターの魅力も素晴らしいです。
海ちゃんの芯の強さと優しさ、俊くんの真面目で情熱的な性格、どちらも本当に魅力的で応援したくなる主人公たちでした。
長澤まさみさんと岡田准一さんの声の演技も、キャラクターにぴったりハマっていて聞いていて心地良かったです。
カルチェラタンの存続運動のエピソードは、私のような40代にはグッとくるものがありましたね。
古き良きものを守ろうとする学生たちの情熱と、それに共感する大人たちの姿に、自分も何かを頑張りたくなったほどです。
手嶌葵さんの主題歌「さよならの夏~コクリコ坂から~」も本当に素晴らしくて、この歌を聴くだけでも映画の世界に引き込まれます。
ただ正直に言うと、物語の展開はやや淡々としているかもしれません。
劇的な出来事やハラハラドキドキする展開を期待していると、少し物足りなく感じる人もいるでしょう。
でもそれがこの映画の良さでもあるんです。
日常の中にある小さな幸せや、若者たちの等身大の悩みが丁寧に描かれているからこそ、心に響く作品になっているんですよね。
兄妹の疑惑というデリケートな問題も、決してセンセーショナルに描かず、人間の心の複雑さを上品に表現していました。
観終わったあと、心が温かくなるような、そんな映画です。
『コクリコ坂から』の個人的な評価
評価項目 | 点数 |
---|---|
ストーリー | ★★★★☆☆☆☆☆☆ |
感動度 | ★★★★★☆☆☆☆☆ |
エンタメ性 | ★★★★☆☆☆☆☆☆ |
総合評価 | 45点 |
『コクリコ坂から』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
公開年月日 | 2011年7月16日 |
監督 | 宮崎吾朗 |
脚本 | 宮崎駿、丹羽圭子 |
原作 | 高橋千鶴・佐山哲郎の漫画『コクリコ坂から』 |
キャスト |
|
上映時間 | 約91分 |
受賞やノミネート歴 | 第35回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞 |
製作国 | 日本 |
主題歌 | 手嶌葵「さよならの夏~コクリコ坂から~」 |
ジャンル | アニメーション、青春、ドラマ |
配給 | 東宝 |
制作会社 | スタジオジブリ |
現在の視聴方法 | Blu-ray/DVD |
あの作品が好きなら『コクリコ坂から』も好きかも?似ている映画3選
『コクリコ坂から』が気に入った方におすすめしたい、似たテーマや雰囲気を持つ映画をご紹介します。
青春、恋愛、家族の絆といった共通のテーマを持つ作品を3つ厳選しました。
『耳をすませば』(近藤喜文監督)
1995年に公開されたスタジオジブリ作品で、中学生の月島雫と天沢聖司の淡い恋愛を描いています。
図書館で出会った本をきっかけに始まる2人の関係や、夢に向かって努力する姿が美しく描かれた青春映画です。
『コクリコ坂から』と同様に、若者たちの等身大の恋愛と成長を丁寧に描いている点が共通していますね。
『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)
2014年公開のスタジオジブリ最後の長編アニメーション映画で、心に傷を抱えた少女アンナの物語です。
家族の秘密や複雑な人間関係、美しい自然の描写など、感情深い人間ドラマが特徴的な作品。
『コクリコ坂から』と同じく家族の絆や秘密をテーマにしており、繊細な心理描写が魅力です。
『時をかける少女』(細田守監督)
2006年に公開されたアニメーション映画で、高校生の紺野真琴が時間跳躍能力を得る物語です。
恋愛、友情、成長といった青春のテーマを時間移動というファンタジー要素で彩った作品。
高校生の心情や青春の儚さ、自己発見というテーマが『コクリコ坂から』と共通しています。

振り返り
『コクリコ坂から』は、1963年の横浜を舞台にした美しい青春アニメーション映画でした。
宮崎駿の脚本と宮崎吾朗の監督による親子コンビが生み出した、心温まる作品です。
映像美の素晴らしさ、等身大の青春ドラマ、そして手嶌葵の美しい主題歌が印象的な映画でしたね。
物語の展開は淡々としているものの、それがかえってリアルで心に響く仕上がりになっています。
普段あまり映画を観ない方にも、ぜひ一度は観ていただきたい名作です。
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