海外でも高い評価を受けている『ゴジラ-1.0』のあらすじをご紹介していきます。
どんな話なのか簡単に言うと「戦争のトラウマを抱えた元特攻隊員が、再び現れたゴジラと向き合いながら自分自身の心の傷を癒していく物語」です。
この作品は第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞し、邦画・アジア映画史上初の快挙を成し遂げました。
私は月に20本ほどの映画を観る熱心な映画ファンなのですが、この『ゴジラ-1.0』は本当に素晴らしい作品でした。
これから観る方のために、ネタバレなしで詳しくあらすじを解説していきますよ。
感想もたっぷりと語らせていただきますので、映画選びの参考にしてもらえれば嬉しいです。
『ゴジラ-1.0』のあらすじを簡単に(ネタバレなし)
『ゴジラ-1.0』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
第二次世界大戦末期の1945年、特攻隊員の敷島浩一は零戦の故障を口実に大戸島の守備隊基地に着陸した。
その夜、島の伝説に語り継がれる巨大生物「呉爾羅(ゴジラ)」が基地を襲撃する。
恐怖にかられた敷島は零戦の機銃でゴジラを撃つことができず、結果として整備兵の橘以外の仲間たちが命を落とした。
戦後、東京に戻った敷島は両親を空襲で失っており、闇市で出会った典子と赤ん坊の明子と共同生活を始める。
1946年、敷島は機雷撤去作業に従事し、新生丸の船長秋津らと出会った。
1947年、巨大化したゴジラは日本近海に現れ、政府の要請で新生丸がゴジラと交戦することになった。
機雷や艦砲射撃でも傷一つ付けることができないゴジラは、ついに東京湾から上陸し、銀座で働く典子のもとへ進撃する。
敷島は典子を助けようと駆けつけるが、ゴジラの熱線が国会議事堂を蒸発させた爆風で典子は行方不明となってしまう。
占領下で独自の軍隊を持たない日本は、民間人だけでゴジラに立ち向かわなければならない状況に追い込まれた。
絶望する敷島のもとに、元技術士官の野田がゴジラ打倒の作戦を持ちかけるだが――。
『ゴジラ-1.0』を観た感想
いやあ、この映画は本当にすごかった!まず何と言ってもゴジラのCGが圧倒的でした。
日本映画でこれほどのクオリティの特撮を観られるとは思ってもみませんでしたね。
特に東京を襲撃するシーンの迫力は鳥肌ものです。
国会議事堂が蒸発するシーンなんて、もう度肝を抜かれましたよ。
ただ、この作品の真の魅力はゴジラの迫力だけではありません。
主人公の敷島が抱える戦争のトラウマを丁寧に描いている点が素晴らしいんです。
特攻から逃げた罪悪感、仲間を見殺しにした後悔、そして愛する人を守れなかった絶望感。
これらが敷島の内面を深く掘り下げていて、単なる怪獣映画を超えた人間ドラマになっています。
戦後復興期の日本の描写も非常にリアルで、当時の人々の暮らしぶりや心境がよく伝わってきました。
廃墟となった東京の街並み、闇市の様子、そして占領軍の存在など、歴史的な背景がしっかりと描かれているのも好印象です。
海神作戦のシーンも手に汗握る展開でした。
フロンガスでゴジラを沈めて、バルーンで急浮上させるという発想も面白いし、民間人だけで巨大な怪獣に立ち向かうというシチュエーションにワクワクしました。
駆逐艦群とタグボートが連携してゴジラと戦うシーンは、まさに日本人の団結力を象徴していて感動的でしたね。
敷島と典子の関係性も心に響きました。
正式な夫婦ではないけれど、家族として支え合う二人の絆が温かくて、だからこそ典子が行方不明になったときの敷島の絶望が胸に刺さるんです。
明子という赤ん坊の存在も、希望の象徴として効果的に使われていました。
震電での特攻シーンは、もう涙なしには観られませんでした。
今度こそ逃げずに戦うという敷島の決意が、これまでの彼の苦悩を知っているだけに本当に感動的です。
橘が脱出装置を取り付けていたという展開も、憎しみを乗り越えた友情として美しく描かれていました。
ただし、少し気になる点もありました。
人間ドラマの部分で、もう少し登場人物の感情の機微を丁寧に描いてほしかったかな。
特に典子の心境の変化や、敷島との関係の発展がやや駆け足だった印象があります。
また、説明台詞が多めで、もう少し映像だけで語る部分があってもよかったかもしれません。
それでも全体としては本当に素晴らしい作品で、久々に日本映画で感動しました。
戦争の傷跡と向き合いながら、それでも生きていこうとする人々の姿が胸を打ちます。
「戦争は終わりましたか?」という最後の台詞が、この映画のテーマを端的に表していて印象的でした。
『ゴジラ-1.0』の個人的な評価
評価項目 | 点数 | コメント |
---|---|---|
ストーリー | ★★★★★★★☆☆☆ | 戦争トラウマを軸にした重厚な人間ドラマ |
感動度 | ★★★★★★★★☆☆ | 主人公の成長と家族愛に心を打たれる |
エンタメ性 | ★★★★★★★☆☆☆ | 圧倒的なVFXと海上決戦の迫力 |
総合評価 | 75点 | 邦画特撮の新たな可能性を示した力作 |
『ゴジラ-1.0』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
公開年月日 | 2023年11月3日 |
監督 | 山崎貴 |
脚本 | 山崎貴 |
原作 | 東宝のゴジラシリーズ |
キャスト |
|
上映時間 | 125分 |
受賞・ノミネート歴 | 第96回アカデミー賞 視覚効果賞受賞 |
製作国 | 日本 |
主題歌 | 特定の主題歌なし(劇伴音楽が特徴的) |
ジャンル | 特撮怪獣映画 |
配給 | 東宝 |
制作会社 | TOHOスタジオ、ROBOT |
現在の視聴方法 |
|
あの作品が好きなら『ゴジラ-1.0』も好きかも?似ている映画3選
『ゴジラ-1.0』が気に入った方におすすめの、テーマや雰囲気が似ている映画を3つご紹介します。
どれも大規模な災害や戦争を背景に、人間の絆や成長を描いた作品ばかりです。
『バトルシップ』(2012年)
ピーター・バーグ監督によるSFアクション映画で、リーアム・ニーソンやテイラー・キッチュが出演しています。
ハワイ沖での海軍合同演習中に宇宙人の侵略を受け、軍艦を使って反撃するという物語です。
『ゴジラ-1.0』と同様に海上での大規模戦闘シーンが見どころで、軍事描写のリアリティと迫力が共通しています。
圧倒的な敵に立ち向かう人類の団結という構図も似ていますね。
『パシフィック・リム』(2013年)
ギレルモ・デル・トロ監督のSF怪獣映画で、チャーリー・ハナムや菊地凛子が出演しています。
巨大ロボット「イェーガー」が海底から現れる巨大怪獣「KAIJU」と戦うという設定です。
『ゴジラ-1.0』同様に巨大な怪獣が人類に脅威をもたらし、圧倒的なビジュアルで都市破壊を描いている点が共通しています。
人類の存亡をかけた戦いという大きなテーマも似ていますよ。
『宇宙戦争』(2005年)
スティーヴン・スピルバーグ監督のSF災害映画で、トム・クルーズが主演を務めています。
火星人の三脚型マシンが地球に侵略してくるという、H・G・ウェルズの古典SFを映画化した作品です。
『ゴジラ-1.0』と同じく、圧倒的な破壊力を持つ敵に直面する人々の絶望感と、それでも生き抜こうとする意志が描かれています。
家族を守ろうとする主人公の姿も共通していますね。
振り返り
『ゴジラ-1.0』は単なる怪獣映画ではなく、戦後日本を舞台にした深い人間ドラマでした。
戦争のトラウマと向き合う主人公の成長物語として、多くの人の心に響く作品だと思います。
アカデミー賞受賞も納得の素晴らしいVFXと、丁寧に描かれた登場人物たちの関係性が印象的でした。
ゴジラという存在を通して、日本人の戦争体験と復興への願いを描いた意欲作として、ぜひ多くの方に観ていただきたい映画です。
※『ゴジラ』シリーズを見る順番はこちらにくわしくまとめています。

コメント