『シン・ゴジラ』のあらすじをご紹介していきます。
どんな話なのか簡単に説明すると、「東京湾に現れた巨大生物に対し、日本政府が科学的根拠に基づいて対処しようと奮闘するリアリティ重視の怪獣映画」ですね。
従来のゴジラ映画とは一線を画し、現代日本の政府対応や災害描写をリアルに描いた社会派作品として話題になりました。
第40回日本アカデミー賞では作品賞・監督賞を含む7部門で最優秀賞を受賞し、興行収入82.5億円を記録した大ヒット作品でもあります。
月に20本の映画を観る私としては、この作品は単なる怪獣映画ではなく、現代社会への鋭い風刺を込めた傑作だと受け止めています。
この名作をこれから観る方のために、詳しくあらすじを解説していきますよ。
『シン・ゴジラ』のあらすじを簡単に(ネタバレなし)
『シン・ゴジラ』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
物語は東京湾アクアトンネルでの謎の崩落事故から始まる。当初は老朽化による事故と思われていたが、巨大な水蒸気の噴出とともに未知の巨大生物の存在が明らかになった。この生物は海中から陸上へと上がり、二足歩行へと進化を遂げながら東京都心部へと向かっていく。
政府は混乱の中で緊急会議を開催し、内閣官房副長官の矢口蘭堂が中心となって対策を練る。巨大不明生物特設災害対策本部、通称「巨災対」が設置され、科学的根拠に基づいた対処法が模索される。しかし、自衛隊の攻撃は効果がなく、米軍の支援も焼け石に水だった。
生物は強烈な熱線や背びれから発射される高エネルギービームで航空機を撃墜し、都市部を次々と破壊していく。その圧倒的な破壊力の前に、無力な日本政府は追い込まれていく。
そんな中、巨災対のメンバーたちは生物の生態を詳細に分析し、血液の凝固を促進する薬剤を経口投与する「ヤシオリ作戦」を立案する。無人爆弾や建設機械を総動員したこの作戦により、ついに生物の動きを止めることに成功するのだったが――。
『シン・ゴジラ』を観た感想
正直に言うと、最初に観たときはビックリしちゃって。
これまでのゴジラ映画とは全く違う、徹底的にリアルな政府の対応描写に驚かされたんです。
会議、会議、また会議の連続で、「え、これ本当に怪獣映画?」と思ったほど。
でもそれがすごく良かったんですよ。
実際に巨大な未知の生物が現れたら、きっとこんな風にドタバタするんだろうなって思わせるリアリティがありました。
矢口蘭堂役の長谷川博己さんの演技も素晴らしくて、冷静さと熱意を兼ね備えた官僚の姿が印象的でした。
そして何より、ゴジラ自体の描写が圧巻でしたね。
従来のゴジラとは全く異なる不気味で異形なデザインに、最初は戸惑いましたが、観ているうちにその異様さが恐怖を煽ることに気づきました。
特に熱線のシーンは鳥肌が立ちましたよ。
あの紫色の光線が都市を切り裂いていく映像は、特撮技術の進歩を実感させる迫力でした。
ただ、怪獣映画としてのエンタメ性を期待していた人には物足りないかもしれません。
私自身も最初は「もっと怪獣が暴れるシーンが欲しい」と思いましたから。
でも二回、三回と観返すうちに、この映画の真の魅力が分かってきました。
災害時の政府対応、メディア報道、国際関係など、現代社会のリアルな問題を怪獣映画という娯楽作品に落とし込んだ手腕は見事でした。
庵野秀明監督の社会に対する鋭い視点と、それを映像で表現する技術力に脱帽です。
音楽も印象的でした。
鷺巣詩郎さんの楽曲と伊福部昭さんの過去のゴジラ楽曲がうまく組み合わされて、ノスタルジーと新しさを同時に感じさせる仕上がりになっていました。
結末についても、すっきりとした解決ではなく、不安を残す終わり方が現実的で良かったです。
これは娯楽映画でありながら、観る人に考えさせる作品でもありますね。
『シン・ゴジラ』の個人的な評価
評価項目 | 点数 | コメント |
---|---|---|
ストーリー | ★★★★★★★★☆☆ | 政府対応のリアリティが秀逸だが説明的すぎる面も |
感動度 | ★★★★★★★☆☆☆ | 絶望の中の希望と団結に心打たれるが万人向けではない |
エンタメ性 | ★★★★★★★☆☆☆ | 特撮は素晴らしいが怪獣アクションは控えめ |
総合評価 | 78点 | 怪獣映画の新境地を開いた社会派作品 |
『シン・ゴジラ』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
公開年月日 | 2016年7月29日 |
監督 |
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脚本 | 庵野秀明 |
原作 | 東宝のゴジラシリーズ |
キャスト |
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上映時間 | 約119分 |
受賞・ノミネート歴 | 第40回日本アカデミー賞で作品賞・監督賞 ほか7部門で最優秀賞を受賞 |
製作国 | 日本 |
主題歌 | 劇伴音楽(音楽:鷺巣詩郎) |
ジャンル | 特撮・怪獣映画 |
配給 | 東宝 |
制作会社 | 東宝映画、シネバザール |
視聴方法 | DVD・Blu-ray 配信サービス(U-NEXT、Amazonプライムビデオ他) |
あの作品が好きなら『シン・ゴジラ』も好きかも?似ている映画3選
『シン・ゴジラ』が気に入った方におすすめしたい、テーマやアプローチが似ている映画を3つご紹介します。
どれも巨大な脅威に対して人間がどう立ち向かうかを描いた作品です。
『機動警察パトレイバー the Movie』(押井守監督)
1989年公開のアニメ映画で、近未来の東京を舞台にした社会派作品です。
巨大ロボット「レイバー」が暴走する事件の背後にある陰謀を、警察の特車二課が解明していく物語。
『シン・ゴジラ』と同様に、日本で発生した大規模な危機に対する政府や組織の対応を綿密に描写している点が共通しています。
会議シーンや状況分析が多く、リアリティを重視したアプローチも似ていますね。
『オデッセイ』(リドリー・スコット監督)
2015年公開のSF映画で、火星に取り残された宇宙飛行士を救出する物語です。
マット・デイモン演じる主人公を救うために、NASA をはじめとした世界中の頭脳が結集して科学的な解決策を模索します。
『シン・ゴジラ』の「ヤシオリ作戦」のように、知力と科学技術で困難に立ち向かう姿勢が共通しており、絶望的な状況でも諦めない人間の意志の強さを描いています。
『ガメラ2 レギオン襲来』(金子修介監督)
1996年公開の怪獣映画で、平成ガメラ三部作の第二作です。
宇宙からやってきた昆虫型生物レギオンと、それに立ち向かうガメラの戦いを描いています。
『シン・ゴジラ』同様、自衛隊と怪獣の戦いをリアルに描写し、現代日本の社会状況を反映させた作品として評価されています。
科学的考察に基づいた怪獣の生態描写や、災害時の人間ドラマにも重点を置いている点が似ていますね。
振り返り
『シン・ゴジラ』は従来の怪獣映画の概念を覆した革新的な作品。
政府の対応や災害描写のリアリティ、そして圧倒的な特撮技術により、新たなゴジラ映画の可能性を示してくれました。
エンタメ性よりも社会性を重視したアプローチは賛否が分かれるかもしれませんが、映画というメディアの持つ力を改めて感じさせる傑作だと思います。
この記事を読んで少しでも興味を持たれた方は、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
※ゴジラシリーズを見る順番はこちらで解説しています。

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