映画『8番出口』のあらすじをご紹介していきます。
『8番出口』は川村元気監督による2025年の日本映画で、人気インディーゲームを原作とした異色のホラー・ミステリー作品。
どんな話なのか簡単に言うと「地下通路に閉じ込められた男性が、異変を見極めながら出口を目指すサバイバル・ヒューマンドラマ」ですね。
第78回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門にも出品された注目作で、二宮和也さんが主演を務めています。
私は月に20本ほど映画を観る熱心な映画ファンでして、この作品も劇場で鑑賞しました。
原作ゲーム未経験の方でも十分楽しめる構成になっており、映画を普段それほど観ない方にもおすすめできる作品です。
これから観る方のために、詳しくあらすじを解説していきますよ。
『8番出口』のあらすじを簡単に(ネタバレなし)
『8番出口』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
満員の地下鉄で泣き叫ぶ赤ちゃんと母親を目撃した主人公の「迷う男」は、怒った男性に怒鳴られる母子を見て見ぬふりをしてしまう。
派遣現場に向かうため駅の出口へ歩いていると、恋人の「ある女」から電話がかかってくる。
妊娠が発覚したという彼女に対し、何も決められずにいる迷う男だったが、不自然に電話が圏外になってしまう。
やがて前方から歩いてくる「おじさん」と何度も遭遇することで、自分が同じ通路を歩き続けていることに気づく。
通路の曲がり角には見慣れない案内板が設置されており、「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたらすぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」と書かれていた。
天井から滴る液体、壁のポスターの表示異常、おじさんの不自然な行動など、様々な異変を察知して引き返すと出口番号が増えていく仕組みを理解する。
しかし恋人からの電話で動揺し、出口番号が0に戻ってしまう迷う男。
一方、通路に閉じ込められた「歩く男」は、少年と共に出口を目指していたが、女子高生風の女性との遭遇で混乱を極める。
恐怖と焦燥のあまり少年を置いて階段を登った歩く男は、やがて異変の一部となってしまう。
取り残された少年は迷う男と出会い、二人で協力して通路を進むことになるが、そこに「ママ」と呼ぶ女性が現れて…。
『8番出口』を観た感想
いやあ、これは本当に独特な映画でしたね。
最初はゲーム原作ということで「どうなんだろう?」と思っていたんですが、観てみてビックリです。
まず何といっても、あの閉塞感がすごい!
地下通路という限られた空間で展開される物語なんですが、この息苦しさが映画全体の緊張感を支えているんですよね。
二宮和也さんの演技も素晴らしくて、どんどん追い詰められていく主人公の心境がひしひしと伝わってきました。
特に印象的だったのは、異変を見つけるたびにハッとする瞬間ですね。
観客も一緒になって「あ、これ異変だ!」って気づいたりするんですが、時には見落としそうになることもあって、まさに主人公と同じ体験をしている感覚でした。
ただ、正直に言うとちょっと難解な部分もありましたね。
特に後半の展開は解釈が分かれそうで、私も一回観ただけでは完全に理解できなかった部分があります。
でもそれが逆に「もう一度観たい」という気持ちにさせるんですよ。
音楽も効果的で、中田ヤスタカさんの音楽と「ボレロ」の使い方が絶妙でした。
あの繰り返し感が通路のループ構造とマッチしていて、観ているこちらも不安になってくるんです。
人間ドラマの部分も良かったですね。
主人公の迷う男が地下鉄で見て見ぬふりをした母子のエピソードから始まって、最後にどういう選択をするのか、そこに彼の成長が描かれているのが感動的でした。
ホラー要素もありますが、単なる怖い映画ではなくて、人生の選択や責任について考えさせられる深いテーマが込められています。
エンディングについては賛否が分かれそうですが、私は好きでしたね。
すっきりとした解決を期待する人には物足りないかもしれませんが、余韻を残すタイプのエンディングで、観た後もずっと心に残る作品でした。
『8番出口』の個人的な評価
評価項目 | 点数 | コメント |
---|---|---|
ストーリー | ★★★★★★★★☆☆ | 独創的な設定と深いテーマが魅力的 |
感動度 | ★★★★★★★☆☆☆ | 主人公の成長に心を打たれる |
エンタメ性 | ★★★★★★★☆☆☆ | 緊張感と謎解き要素で最後まで飽きない |
総合評価 | 72点 | 実験的だが印象に残る良作 |
『8番出口』の作品情報
項目 | 詳細 |
---|---|
公開年月日 | 2025年8月29日 |
監督 | 川村元気 |
脚本 | 川村元気、平瀬謙太朗 |
原作 | KOTAKE CREATE「8番出口」 |
キャスト |
|
上映時間 | 95分 |
受賞・ノミネート歴 | 第78回カンヌ国際映画祭 ミッドナイト・スクリーニング部門出品 |
製作国 | 日本 |
音楽 | 中田ヤスタカ(CAPSULE) 網守将平 |
ジャンル | ホラー、ミステリー サバイバル・ヒューマンドラマ |
配給 | 東宝 |
制作会社 | 映画「8番出口」製作委員会 |
視聴方法 | 劇場公開中(2025年9月現在) |
あの作品が好きなら『8番出口』も好きかも?似ている映画3選
『8番出口』のような閉鎖空間での心理スリラーがお好きなら、以下の作品もおすすめです。
どれも異常な状況に置かれた人間の心理を描いた秀作ばかりですよ。
『バタフライ・エフェクト』(2004年・エリック・ブレス、J・マッケイ・グラバー監督)
アシュトン・カッチャー主演のSFスリラー作品です。
主人公が過去に戻って現実を変えようとするループ構造の物語で、選択と結果というテーマが『8番出口』と共通しています。
時間の錯綜による心理的な混乱や、何度も同じような状況を繰り返す設定が似ていて、観終わった後の余韻も印象的ですね。
『キューブ』(1997年・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督)
密閉された立方体の部屋で脱出を試みるカナダ映画の傑作です。
閉ざされた空間での謎解きと脱出劇という点が『8番出口』と非常に似ており、異変のある場所を見極めながら出口を目指すサスペンス感も共通しています。
限られた空間で展開される心理戦と、人間の本性が露わになる展開にハラハラドキドキですよ。
『ミスト』(2007年・フランク・ダラボン監督)
スティーヴン・キング原作のホラー映画で、スーパーマーケットに閉じ込められた人々の物語です。
日常に突然侵入してくる異常事態や、見えない脅威に対する心理的恐怖が『8番出口』の世界観と響き合います。
閉鎖空間でのサバイバルと人間ドラマが絶妙に組み合わさった作品で、衝撃的なエンディングも話題になりました。
振り返り
映画『8番出口』のあらすじを簡単に、そして詳しくご紹介してきました。
ゲーム原作という異色の出自ながら、しっかりとした人間ドラマと心理スリラーの要素が組み合わさった良作でしたね。
感想としては、独創的な設定と二宮和也さんの熱演が印象的で、観る人によって解釈が分かれそうな奥深い作品だと思います。
どんな話なのか気になっていた方も、この記事を読んで興味を持っていただけたのではないでしょうか。
結末については触れませんでしたが、ぜひ劇場でご自身の目で確かめてみてください。
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