『言の葉の庭』はどんな話なのか、あらすじを知りたいけれど、いまいち分からない方も多いでしょう。
新海誠監督による2013年のアニメ映画『言の葉の庭』は、雨の日に出会った高校生と年上の女性の繊細な恋愛を描いた作品です。
わずか46分という短い上映時間ながら、圧倒的な映像美と心理描写で多くの観客を魅了し、国内外で高い評価を受けています。
月に20本の映画を観る私が、この美しい作品のあらすじを詳しく紹介していきますよ。
普段それほど映画を観ない方でも分かりやすく、ネタバレなしで『言の葉の庭』の魅力をお伝えしていきます。
この記事を読めば、きっと『言の葉の庭』を観たくなること間違いなしです。
『言の葉の庭』のあらすじを簡単に(ネタバレなし)
『言の葉の庭』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
物語の主人公は15歳の高校生・秋月孝雄(タカオ)。
彼は将来靴職人になることを夢見ており、雨の日の朝は学校を1時間遅刻して新宿御苑の日本庭園にある東屋で靴のデザインを考えるのが習慣だった。
ある雨の日、いつものように東屋でスケッチをしていたタカオは、缶ビールを飲みながらチョコレートを食べる27歳の女性・雪野百香里(ユキノ)と偶然出会う。
ユキノは名前も明かさず、万葉集の短歌を詠んで去っていった。
それ以降、雨の日になると二人は自然と東屋で顔を合わせるようになり、徐々に会話を交わすようになる。
タカオはユキノのために手作り弁当を用意したり、靴作りの本を贈ったりして彼女を支える。
ユキノもタカオに本を贈るなど、お互いの存在が心の支えとなっていく。
しかしユキノは何らかの理由で仕事に行けずにいて、心に深い傷を抱えていることが次第に明かされる。
雨の日だけの特別な時間を過ごす中で、年齢差や立場の違いを超えて二人の心は次第に近づいていくのだった。
『言の葉の庭』の感想
この作品を初めて観たときは本当にびっくりしました。
まず何といっても映像美が圧倒的すぎるんです!
雨粒一つ一つの描写、水面に映る光の揺らぎ、植物の葉っぱの質感など、もはや実写と見間違えるほどのクオリティでした。
特に雨のシーンは新海誠監督の真骨頂とも言える美しさで、観ているだけでうっとりしてしまいます。
46分という短い上映時間も最初は物足りないかなと思ったのですが、これが絶妙な長さなんですよね。
無駄な部分が一切なく、二人の関係性がコンパクトにまとめられていて、むしろこの長さだからこそ濃密な物語になっている気がします。
主人公のタカオとユキノの関係も本当に繊細に描かれていて、15歳の少年の等身大の感情がリアルに伝わってきました。
特にタカオがユキノのためにお弁当を作ってくるシーンなんか、純粋で一途な気持ちがひしひしと感じられて胸が熱くなります。
一方でユキノの抱える秘密や心の傷についても、最後まで丁寧に描かれていて、大人の女性の複雑な心境がよく表現されていました。
声優の演技も素晴らしくて、入野自由さんのタカオは少年らしい瑞々しさがあり、花澤香菜さんのユキノは大人の女性の儚さと強さを併せ持った魅力的な演技でした。
ただ一点気になったのは、高校生と27歳の女性という年齢差のある関係性に、少し違和感を覚える部分もありました。
でもそれを差し引いても、この作品の持つ美しさと感動は本物だと思います。
万葉集の短歌が効果的に使われているのも印象的で、古典文学の美しさが現代の物語に見事に溶け込んでいました。
雨という自然現象を通じて二人の心の距離が縮まっていく演出も秀逸で、梅雨の季節の独特の情緒が作品全体を包んでいます。
最後のシーンは涙なしには観られませんでした。
二人の関係がどうなるのか、最後まで目が離せない展開でしたよ。
『言の葉の庭』の個人的な評価
評価項目 | 点数(10点満点) |
---|---|
ストーリー | ★★★★☆☆☆☆☆☆ |
感動度 | ★★★★★★★☆☆☆ |
エンタメ性 | ★★★☆☆☆☆☆☆☆ |
総合評価 | 60点 |
『言の葉の庭』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
公開年月日 | 2013年5月31日 |
監督 | 新海誠 |
脚本 | 新海誠 |
原作 | 新海誠 |
上映時間 | 46分 |
製作国 | 日本 |
主題歌 | 秦基博「Rain」 |
音楽 | KASHIWA Daisuke |
ジャンル | アニメーション、恋愛、ドラマ |
配給 | 東宝映像事業部 |
受賞・ノミネート | ロサンゼルス・アニメエキスポ上映 韓国プチョン国際ファンタスティック映画祭上映など |
視聴方法 | Blu-ray/DVD U-NEXT Amazon Prime Video等 |
キャスト(声優)
- 入野自由(秋月孝雄役)
- 花澤香菜(雪野百香里役)
- 平野文
- 前田剛
- 井上優
- 潘めぐみ
- 小松未可子
あの作品が好きなら『言の葉の庭』も好きかも?似ている映画3選
『言の葉の庭』を気に入った方には、同じような繊細な恋愛模様や美しい映像表現を楽しめる作品をおすすめします。
時間の流れや心の距離感をテーマにした切ない青春ドラマを中心に、3作品ピックアップしてみました。
『秒速5センチメートル』(新海誠監督)
2007年に公開された新海誠監督の代表作の一つです。
幼なじみの男女の時間と距離によるすれ違いを3つのエピソードで描いた作品で、『言の葉の庭』と同様に繊細な心理描写と圧倒的な映像美が魅力です。
特に心の距離感や成長をテーマにしている点で非常に似ており、新海誠監督らしい切ない恋愛ドラマが好きな方には絶対におすすめの一作です。

『君の膵臓をたべたい』(月川翔監督)
2018年に実写映画化された青春恋愛ドラマです。
住野よる原作の小説を映画化した作品で、限られた時間の中で育まれる特別な関係を描いています。
命のはかなさや友情、成長を繊細に描き、感情の揺れが『言の葉の庭』と共通するテーマとなっており、切なく儚い青春の物語が好きな方にぴったりです。
『風立ちぬ』(宮崎駿監督)
2013年に公開された宮崎駿監督による大人向けの恋愛ドラマです。
飛行機設計者の堀越二郎を主人公に、夢と現実、愛と別れを描いた作品で、人生の選択と時の流れを美しく表現しています。
『言の葉の庭』と同様に大人の恋愛を繊細に描いており、美しいアニメーションと深いテーマ性で心に残る作品となっています。

振り返り
『言の葉の庭』は新海誠監督による珠玉の短編アニメ映画です。
46分という短い時間の中に、雨の日だけの特別な交流から生まれる繊細な恋愛模様が美しく描かれています。
圧倒的な映像美と丁寧な心理描写、そして万葉集の短歌が織りなす詩的な世界観は、多くの人の心を深く動かす力を持っています。
普段あまり映画を観ない方でも、きっとこの作品の美しさに魅了されることでしょう。
雨の日が待ち遠しくなるような、そんな素敵な体験をぜひ味わってみてください。
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