『猿の惑星』はどれから見ればいいのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、正しい視聴順番は以下のとおりです。
- 猿の惑星(1968年)
- 続・猿の惑星(1970年)
- 新・猿の惑星(1971年)
- 猿の惑星・征服(1972年)
- 最後の猿の惑星(1973年)
- 猿の惑星: 創世記(2011年)
- 猿の惑星: 新世紀(2014年)
- 猿の惑星: 聖戦記(2017年)
- 猿の惑星/キングダム(2024年)
この映画シリーズは、1968年に始まったSF古典作品から最新の2024年作品まで、半世紀以上にわたって続く壮大なサーガです。
人間と猿の立場が逆転した世界を描く社会風刺の傑作として、アカデミー賞をはじめ多くの賞を受賞してきました。
月に20本の映画を観る熱心な映画ファンでありオタクの私が、「これから視聴する予定」という方に向けて、『猿の惑星』全作品の「正しい見る順番」や「あらすじ」や「見どころ」などを詳しく紹介していきますね。
映画『猿の惑星』シリーズはどれから見ればいい?→正解は「公開順」
なぜ『猿の惑星』は公開順で観るべきなのか
『猿の惑星』シリーズは基本的に公開順がおすすめな理由は、シリーズの進化やテーマの変化を体験できるためです。
制作時の社会情勢や技術の移り変わりも感じ取れるので、映画史としての価値も高まります。
オリジナル5部作(1968年〜1973年)やリブートシリーズ(2011年〜)は、それぞれ公開順が時系列にもなっているため、自然な流れで理解しやすいんですね。
時系列順はリブート版から旧シリーズへと複雑なため、混乱しやすいという欠点もあります。
ただし、初期作品の映像の古さが苦手な人はリブート版から入る視聴も一つの方法でしょう。
『猿の惑星』の公開順一覧表
以下が『猿の惑星』シリーズ全作品の公開順一覧表になります。
見る順番 | タイトル | 公開年(日本) | シリーズ区分 |
---|---|---|---|
1 | 猿の惑星 | 1968年 | オリジナル5部作 |
2 | 続・猿の惑星 | 1970年 | オリジナル5部作 |
3 | 新・猿の惑星 | 1971年 | オリジナル5部作 |
4 | 猿の惑星・征服 | 1972年 | オリジナル5部作 |
5 | 最後の猿の惑星 | 1973年 | オリジナル5部作 |
6 | 猿の惑星: 創世記 | 2011年 | リブート3部作 |
7 | 猿の惑星: 新世紀 | 2014年 | リブート3部作 |
8 | 猿の惑星: 聖戦記 | 2017年 | リブート3部作 |
9 | 猿の惑星/キングダム | 2024年 | 新シリーズ |
※ティム・バートン監督の2001年の映画『PLANET OF THE APES/猿の惑星』は、これまでのシリーズとの直接的なつながりを持たない「リ・イマジネーション作品」と位置づけられているため、上記の一覧表からは除外しました。
1968年のオリジナル版『猿の惑星』をベースにしながらも、物語の展開、キャラクター設定、そして結末を独自に再構築したものです。
シリーズ全体の中では独立した作品として単体で楽しむことができ、過去作を見ていなくても問題なく鑑賞できます。
順番を守らずに観るデメリットと作品間の関連性
『猿の惑星』を順番に鑑賞しないデメリットは、ストーリーの一貫性が分かりにくくなることです。
時系列や公開順を無視すると、猿たちの知性獲得や人間との対峙の経緯が理解しづらく、一貫した物語の流れが掴みにくくなります。
特にリブート版で多く登場するシーザーの人物像や動機の変化が時系列で追えなくなり、感情移入が難しくなる可能性があるでしょう。
オリジナルシリーズとリブートシリーズでは設定や演出が大きく異なるため、順番を無視すると混乱しやすくなります。
シリーズ全体を通じて張られた伏線やキャラクターの因果関係を把握しづらく、物語の深みを十分に味わえません。
公開順で見ると技術や演出の進歩を感じられますが、順番を飛ばすとその変化や成長が理解しづらくなります。
映画『猿の惑星』シリーズの作品情報とあらすじと見どころ
猿の惑星(1968年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 1968年4月13日 |
監督 | フランクリン・J・シャフナー |
脚本 |
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主なキャスト |
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上映時間 | 112分 |
あらすじ
宇宙飛行士のテイラーが仲間とともに未知の惑星に不時着する。そこは猿が文明を築き、人間が野生動物として扱われる逆転した世界だった。テイラーは猿の科学者ジーラに助けられながら、この惑星の謎に迫っていく。やがて彼が目にするのは、想像を絶する真実だった。
見どころ
SF映画史に残る衝撃のラストシーンは、観客に強烈な印象を与える名場面です。
人間と動物の境界を問い直す深い社会風刺が込められており、単なるエンターテイメントを超えた哲学的作品になっています。
メイクアップ技術の革新的な使用も見逃せないポイントで、猿の表情豊かな演技は今見ても圧巻です。
続・猿の惑星(1970年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 1970年8月2日 |
監督 | テッド・ポスト |
脚本 | ポール・デイン |
主なキャスト |
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上映時間 | 95分 |
あらすじ
テイラーを探しに来た救助隊の宇宙飛行士ブレントが、同じ惑星に不時着する。彼は地下に住む変異した人間たちの社会を発見し、そこで核弾頭を崇拝する奇妙な宗教に出会う。一方、猿の社会では軍事派のウルサス将軍が人間狩りを拡大しようとしていた。ブレントとテイラーは再会を果たすが、事態は最悪の方向へ向かっていく。
見どころ
前作以上にダークで絶望的な展開が特徴的で、核戦争への警鐘を鳴らすメッセージ性が強烈です。
地下世界の不気味な描写と変異人間たちの異様な宗教儀式は、独特の恐怖感を演出しています。
猿の社会における軍国主義の台頭も、当時のベトナム戦争を背景とした社会批判が込められており、エンターテイメントとメッセージ性のバランスが絶妙です。
新・猿の惑星(1971年)
項目 | 詳細 |
---|---|
公開日(日本) | 1971年7月31日 |
監督 | ドン・テイラー |
脚本 | ポール・デイン |
主なキャスト |
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上映時間 | 98分 |
あらすじ
核爆発の直前に時空の歪みに巻き込まれた猿の科学者コーネリアス、ジーラ、そして医師マイロが1973年の地球にタイムスリップする。彼らは最初歓迎されるが、やがて未来の猿の支配を恐れた人間たちから迫害を受けるようになる。特にジーラの妊娠が発覚すると、政府は猿の子孫を根絶やしにしようと企てる。
見どころ
シリーズ初のタイムトラベル要素が導入され、物語に新たな展開をもたらしています。
現代社会に現れた知的な猿たちと人間との関係性が、差別や偏見の問題を浮き彫りにする社会派ドラマとしても秀逸です。
ロディ・マクドウォールとキム・ハンターの演技は特に素晴らしく、猿でありながら人間以上に人間らしい感情を表現しています。
猿の惑星・征服(1972年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 1972年8月5日 |
監督 | J・リー・トンプソン |
脚本 | ポール・デイン |
主なキャスト |
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上映時間 | 88分 |
あらすじ
1991年、猿が人間のペットや労働力として飼われている未来社会で、ジーラの息子シーザーが成人する。彼は自分の出生の秘密を知り、奴隷として扱われる同族の猿たちを解放するため立ち上がる。シーザーは猿たちを組織化し、人間に対する大規模な反乱を計画する。やがて猿の革命は始まり、人間社会は大きく揺らぐことになる。
見どころ
シリーズの中でも最もアクション要素が強く、猿の反乱シーンは迫力満点です。
シーザーのカリスマ性と指導力が存分に描かれており、革命指導者としての成長過程が見どころになっています。
当時の公民権運動を彷彿とさせる社会情勢が反映されており、抑圧された側の正当な怒りと革命の必然性を描いた政治的メッセージも強烈です。
最後の猿の惑星(1973年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 1973年7月21日 |
監督 | J・リー・トンプソン |
脚本 |
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主なキャスト |
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上映時間 | 88分 |
あらすじ
猿の反乱から数年後、猿と人間が共存する社会が築かれていた。シーザーは猿たちのリーダーとして平和的な統治を心がけていたが、過激派の猿アルドが武力による人間支配を主張する。一方、地下に隠れ住む人間の生き残りたちは、猿への反撃を企てていた。シーザーは両者の対立を収めようとするが、事態は予想外の展開を見せる。
見どころ
オリジナル5部作の完結編として、シリーズ全体の謎が明かされる重要な作品です。
シーザーの指導者としての苦悩と成長が丁寧に描かれており、権力者の孤独と責任の重さを感じさせます。
猿同士の内部対立も加わり、複雑な政治劇としての側面も強化されています。
シリーズを通じて描かれてきた循環する歴史のテーマが、この作品で完結する構成も見事です。
猿の惑星: 創世記(2011年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 2011年9月16日 |
監督 | ルパート・ワイアット |
脚本 |
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主なキャスト |
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上映時間 | 105分 |
あらすじ
科学者ウィルは認知症の父を救うため、チンパンジーを使った遺伝子治療薬の研究を進めていた。実験体の一匹が産んだ子猿シーザーは、薬の影響で高度な知能を獲得する。ウィルはシーザーを育てるが、やがてシーザーは檻に閉じ込められた施設で他の猿たちと出会う。そこでシーザーは同族の解放を決意し、人間への反乱を計画し始める。
見どころ
最新のCG技術とモーションキャプチャーが生み出すリアルな猿の表現は圧巻の一言。
アンディ・サーキスによるシーザーの演技は人間以上に感情豊かで、猿でありながら深い知性と人間性を感じさせます。
現代の遺伝子工学やバイオテクノロジーの問題を扱いながら、古典的な『猿の惑星』の世界観を現代風にアップデートした脚本も秀逸です。
猿の惑星: 新世紀(2014年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 2014年9月19日 |
監督 | マット・リーヴス |
脚本 |
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主なキャスト |
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上映時間 | 130分 |
あらすじ
前作から10年後、ウイルスによって人類の大半が死滅し、シーザー率いる猿たちは森で独自の文明を築いていた。一方、生き残った人間たちは都市で電力不足に悩んでいた。発電のため森のダムを修理する必要があり、人間と猿は接触することになる。最初は平和的な関係を築くが、互いの不信と恐怖が対立を激化させていく。
見どころ
前作から大幅に進化したCG技術により、猿たちの表情や動作がより人間らしく描かれています。
シーザーの家族関係や猿社会の政治構造も詳細に描かれ、単なる人間対猿の対立を超えた複雑なドラマが展開されます。
戦争の愚かさと平和の尊さを問いかける反戦メッセージも強く、アクション映画でありながら深い人間ドラマとしても完成度が高い作品です。
猿の惑星: 聖戦記(2017年)
項目 | 詳細 |
---|---|
公開日(日本) | 2017年10月13日 |
監督 | マット・リーヴス |
脚本 |
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主なキャスト |
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上映時間 | 140分 |
あらすじ
人間と猿の戦争は激化し、シーザーは家族を失う悲劇に見舞われる。復讐に燃えるシーザーは、冷酷な軍人大佐との最終決戦に向かう。しかし、戦いの中でシーザーは自らの怒りと憎しみに支配されそうになる。果たしてシーザーは復讐の連鎖を断ち切り、猿たちを約束の地へ導くことができるのか。種族の運命をかけた最後の戦いが始まる。
見どころ
リブート三部作の完結編として、シーザーの英雄的な物語が壮大なスケールで描かれます。
復讐と許しをテーマにした深い人間ドラマが展開され、戦争映画としても一級品の完成度を誇ります。
アンディ・サーキスの演技は神がかっており、CGキャラクターでありながらこれほど感動的な演技は映画史上でも稀有。
視覚効果の素晴らしさとともに、心を打つ感動的なクライマックスは必見です。
猿の惑星/キングダム(2024年)
項目 | 詳細 |
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公開日(日本) | 2024年5月10日 |
監督 | ウェス・ボール |
脚本 | ジョシュ・フリードマン |
主なキャスト |
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上映時間 | 145分 |
あらすじ
シーザーの死から300年後、猿たちは地球上で繁栄し複数の部族に分かれていた。若い猿のノアは、暴君プロキシマス・シーザーに支配された帝国「キングダム」と対峙することになる。一方、人間は少数ながら生き残っており、猿と人間の新たな関係が模索される。ノアは仲間とともに、真のシーザーの教えとは何かを探求しながら自由のために戦う。
見どころ
新世代の主人公ノアを中心とした全く新しい物語が展開され、シリーズに新鮮な風を吹き込んでいます。
300年という時の経過により、猿社会がどのように発展したかが詳細に描かれ、世界観の拡張が見事です。
最新の映像技術により、これまで以上にリアルで美しい猿の世界が表現されており、アドベンチャー要素も強化されています。
『猿の惑星』シリーズが見られる動画配信サービス
2025年8月時点での『猿の惑星』シリーズの動画配信サービス状況をお伝えします。
現在、ほとんどのサービスでレンタルでの配信が中心となっており、見放題で全作品を視聴できるサービスは限られています。
配信サービス名 | 配信の有無 |
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Netflix | × |
U-NEXT | × |
Amazonプライムビデオ | △(一部見放題、一部レンタル) |
Hulu | △(一部見放題、最新作はレンタル) |
Lemino | △(レンタル中心) |
DMM TV | △(レンタル中心) |
配信状況は変動する可能性があるため、視聴前に各サービスで最新情報を確認することをおすすめします。
複数のサービスを比較して、お得にシリーズを楽しんでくださいね。
振り返り
『猿の惑星』シリーズは、1968年の古典的名作から2024年の最新作まで、半世紀以上にわたって愛され続けるSF映画の金字塔です。
このシリーズを楽しむには、基本的に公開順での視聴がおすすめで、オリジナル5部作とリブート3部作、そして最新作『キングダム』という流れで観ることで、映像技術の進化とテーマの深化を同時に体験できます。
人間と猿の立場逆転というユニークな設定を通じて、差別、戦争、環境破壊など現代社会の問題を鋭く描いた社会派作品として、エンターテイメント性と思想性を兼ね備えた傑作シリーズと言えるでしょう。
どの作品から観始めても楽しめますが、やはり公開順に観ることで制作者の意図とシリーズ全体の壮大な物語を最も深く味わえるはずです。
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